コーヒーは、知れば知るほどに疑問がわいてくる奥が深い飲み物です。
その中でも産地による味の違いは、多くの人が気になっているのではないでしょうか?
実際にコーヒー豆屋さんに行ってみると、国ごとに豆が並んでいることが多く、産地について知識がないとどれを選べばいいかわかりません。
産地ごとに味わいは違うの?
どれが自分に合う産地なの?
今回の記事では、コーヒーの産地について、少し深堀りした内容をお伝えできたらと思ってます。
今回紹介するコーヒーの産地はカメルーンです。
\他の産地はこちらの記事を参考に!/
カメルーンと言えば日本ではW杯で対戦するなど、サッカーで有名な国ですよね。
ただカメルーンのコーヒーについて詳しく知っているという方は少ないのではないでしょうか?
今回はそんなカメルーンについて以下の内容で解説します。
- 歴史
- 栽培方法や農園について
- 等級
- 品種
- 精製方法
- 味わい
- 飲み方
といった視点からコーヒーについて解説していきたいと思いますので、最後までご覧いただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
カメルーン産コーヒーの歴史
カメルーンで本格的にコーヒーの栽培が始まったのは、1928年にフランスの植民地となったことがきっかけとされています。
カメルーンは赤道直下のいわゆるコーヒーベルトに位置する国で気候的にコーヒーを育てることに適しているということもあり、生産の規模はどんどん大きくなっていきました。
最盛期は1985年で、14万トンものコーヒー豆を生産していました。
しかしその後、世界中でコーヒーの生産量が増えたことにより価格が下落してしまい競争に敗れたことが原因でカメルーンのコーヒー産業は衰退してしまいます・・・
最終的に生産量は1万トンを切ってしまうほどでした。
そんなカメルーンのコーヒー業界は2008年ごろから復活の兆しが見え始めます。
世界的なスペシャルティコーヒーの流れなどもあり、持続的に生産できる作物としてカメルーン政府が再生計画を打ち出したのです。
もともとはロブスタ種を多く栽培していたカメルーンでしたが、最近では北西部の高山地帯を中心にアラビカ種のスペシャルティコーヒーの栽培にも力を入れ始めています。
生産量も4万トンを超え、最盛期には及ばないものの少しずつ戻り始めています。
1928年 フランスの植民地になったことがきっかけ
赤道直下で栽培環境が優れていたため、生産規模はどんどん大きく
1985年 14万トンのコーヒー豆を生産
世界中のコーヒー生産量が急増
価格競争に敗れ、生産量は激減(1万トンを切るくらい)
2008年ごろ 再生計画の打ち出し
スペシャルティコーヒーに力を入れるように
生産量も少しずつ上向きに(4万トン越え)
カメルーンの現在の栽培・農園状況
カメルーンでは主に北部から北西部にかけてコーヒーの栽培がおこなわれています。
これらの地域は火山帯で標高が高く、さらに火山がもたらす肥沃な火山灰土壌と豊富な水資源も存在し、コーヒーの栽培にとって理想的な土地柄なのです。
農園は大規模なプランテーション農園は少なく、約1〜3haほどの小規模の農園が多いようです。
同じアフリカということもあり、このあたりは近隣のコーヒー界で有名なケニアやエチオピアとの類似点と言えるかもしれません。
カメルーン産コーヒーの等級
主にコーヒー豆300g中に含まれる欠点豆の数で格付けされています。
呼び方 | 条件 |
---|---|
ショワ | 欠点豆がほとんどない |
エクストラプリマ | 欠点豆がショワよりは多いが、わずか |
プリマ | 欠点豆が普通よりは少ない |
スぺリュール | 一般的に許容されるレベルで欠点豆が混入 |
クーラン | スぺリュールよりも欠点豆が多い |
リミット | 商品になるギリギリの割合で欠点豆が混入 |
さらにこれらの評価とは別軸で、コーヒー豆の大きさでも評価をしています。
アラビカ種はTYPE A~F、ロブスタ種はグレード 1〜3です。
カメルーン産コーヒーの主な栽培品種
カメルーンは「アラビカ種3:ロブスタ種7」の割合で生産しており、ロブスタ種が多いです。
近年はアラビカ種の栽培にも力を入れているものの、もともとはロブスタ種を多く栽培していた名残はまだ残っています。
カメルーンのスペシャルティコーヒーは、日本では「ジャバロングベリー」という名前で見かけることが多いです。
流通量は少なく、まだまだ珍しい産地なので、もし見かけたらぜひ試してみることをおすすめします!
カメルーン産コーヒーの主な精製方法
カメルーンのコーヒーはウォッシュドプロセスで精製されるものが多いようです。
雨が多く水資源に恵まれているため、水を大量に消費するウォッシュドプロセスの運用に向いているのかもしれません。
カメルーン産コーヒーの味わいの特徴
カメルーン産のコーヒーは、アフリカの豆特有の酸味に加え、甘味やコクを感じることができます。
酸味の傾向としては、柑橘系のさわやかなフレーバーです。
地理的にも気候的にも高品質なコーヒーを生産できるポテンシャルがあり、興味深い産地になります。
今後のカメルーンのコーヒーに注目です!
カメルーン産コーヒーのおすすめ抽出器具と淹れ方
ケニアやエチオピアなどのアフリカ産の豆同様に、豊かな甘みや柑橘系の香りが特徴なカメルーンのコーヒーは浅煎りから深煎りまでどんな焙煎でもおいしく飲むことができます。
そのため、アレンジの幅が広く、淹れるたびに新しい味わいを楽しむことが可能です!
おすすめのドリッパーは、ドリップの速度を調整しやすい「円錐型」のドリッパーになります。
求める味わいに合わせて、抽出速度を意識してみましょう。
コーヒーをドリップで抽出する際、以下の順番で味わいが生まれます。
- 酸味
- 甘み
- 苦み
- 渋み
浅煎りコーヒーでは、酸味と甘味の味を強調するような抽出がしたいです。
そのため、お湯を注いでから「2分30秒~3分」を目安にして、速いスピードで抽出してみてください。
- 蒸らしの水量を多めに
- 2投目を大胆に勢いよく
- ドリッパー全体を使って抽出
- 投入回数を3回に(少なめに)
深煎りコーヒーでは甘味と苦味を強調するように抽出したいです。
そのため、浅煎りのと比べて長めに抽出するとおいしいコーヒーになります。
具体的には、「3分〜3分30秒」を目安に、じっくりと淹れてあげましょう。
- 蒸らしの量を少なめに
- 2投目はコーヒードームを崩さないようにゆっくり
- 投入回数を4回に(多めに)
浅煎りの時と比べて、細い口のケトルを使うと抽出しやすいです!
まとめ
今回はカメルーン産のコーヒーについて解説してきました。
カメルーン産のコーヒーは、日本ではあまりメジャーではないので、聞いたことがなかったという方も多いのではないでしょうか?
ただ、豊かな環境に加え、国全体でコーヒーを後押ししているため、間違いなくおいしいコーヒーをつくるポテンシャルを秘めています。
最盛期からの衰退、、、そして復活の兆し。
もし見かけたら、実際に自分の口で味わい、カメルーンのコーヒー関係者の努力を体感してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。
\他の産地はこちらの記事を参考に!/