コーヒーは、知れば知るほどに疑問がわいてくる奥が深い飲み物です。
その中でも産地による味の違いは、多くの人が気になっているのではないでしょうか?
実際にコーヒー豆屋さんに行ってみると、国ごとに豆が並んでいることが多く、産地について知識がないとどれを選べばいいかわかりません。
産地ごとに味わいは違うの?
どれが自分に合う産地なの?
今回の記事では、コーヒーの産地について、少し深堀りした内容をお伝えできたらと思ってます。
今回紹介するコーヒーの産地はコンゴ民主共和国です。
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コンゴ民主共和国はアフリカのちょうど中央あたりにある国です。
国の真ん中を赤道が通っているので、国内が北半球と南半球に分かれています。
コーヒーは赤道直下の環境が栽培に向いているので、コンゴ民主共和国はまさにうってつけの環境です。
今回はそんなコンゴ民主共和国について以下の内容で解説します。
- 歴史
- 栽培方法や農園について
- 等級
- 品種
- 精製方法
- 味わい
- 飲み方
といった視点からコーヒーについて解説していきたいと思いますので、最後までご覧いただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
コンゴ民主共和国のコーヒーの歴史
コーヒーの歴史の前に、国自体についての事前知識を解説します。
そんなコンゴ民主共和国ですが、実はとても深いコーヒーとの縁があります。
コンゴ盆地には大規模な熱帯雨林が広がっており、その大きさは南米のアマゾンに次いで世界で2番目と言われています。
コンゴ民主共和国でコーヒーの栽培が本格的に始まったのは1908年にベルギーの植民地支配が始まってからです。
ベルギー主導で大規模なプランテーション農業が広まるなど、徐々に規模が拡大していき、最盛期の1980年ごろには80%ほどがロブスタ種ではあるものの生産量が10万トンを超えるほどでした。
しかし、1990年代後半から2000年代にかけて度重なる内戦の影響もありその規模は縮小していき、生産量は約5000トンまで減少してしまいました。
2010年以降はヨーロッパのNPO法人の援助などもあり、コーヒーの生産量は徐々に回復しています。特にコンゴ盆地の豊かな自然を生かしたスペシャルティコーヒーの生産が推進されており、アラビカ種が盛んに栽培されるようになっています。
1908年 ベルギーの植民地になったことがきっかけ
ベルギー主導で大規模なプランテーション農業が広まる
1980年 10万トンのコーヒー豆を生産
内、80%はロブスタ種
1990年代後半~2000年代 度重なる内戦の影響で生産量激減(5000トンくらい)
2010年以降 ヨーロッパのNPO法人の援助もあり徐々に立て直し
スペシャルティコーヒーの生産を積極的に推進
豆知識!
自然豊かなコンゴ盆地ですが、実は1890年代ごろにロブスタ種が発見された土地としても知られています。
病気に強いことや、比較的低地でも育つことから、ロブスタ種は急速に世界に広がっていきました。
具体的には、発見後100年ほどで世界のコーヒー生産量の30%をロブスタ種が占めるほどに勢いよく広がっていきました!
豆知識。
コンゴ民主共和国の現在の栽培・農園状況
コンゴ民主共和国にはコンゴ盆地に広がる熱帯雨林をはじめ、豊かな自然が広がっています。
さらには年間降水量が2000㎜を超えるなど、水資源も豊富です。
コーヒー生産の主な地域は、東部の北キブ州、南キブ州で行われています。
北キブ州、南キブ州はコンゴの中でも比較的標高が高く、1000mを超えるところも多いです。
標高が高い分、気温も少し低いためおいしいコーヒーを栽培するのに理想的な気候条件がそろっています。
さらに非常に肥沃な土壌も持ち合わせており、二毛作ならぬ四毛作を可能にするほどです。
一方で、コンゴ民主共和国は経済的に大変貧しい国でもあります。
現地では十分な農機具をそろえることも難しいですが、最近では欧米諸国の援助などもあり、そういった状況は改善の兆しがあるということです。
今後、さらに質の良くなったコーヒー豆が生産されていくと思うと、目が離せません!
カメルーン産コーヒーの等級
コンゴのコーヒー豆のグレードは欠点豆の数で決まるようです。
キブ2~キブ7までの6段階で、キブ2が最高級のグレードになってます。
また、キブ2とキブ3をスペシャルティコーヒーと定義しています。
コンゴ民主共和国のコーヒーの主な栽培品種
コンゴでは「アラビカ種4:ロブスタ種6」の割合で栽培されています。
2010年以降欧米からの援助を受けてアラビカ種の栽培が拡大していることもあり、今後はアラビカ種の生産の割合がより増えていくと予想されます。
昔は8割がロブスタ種だったと思うと、アラビカ種の生産が順調に進んでいますね!
コンゴ民主共和国のコーヒーの主な精製方法
主な精製方法は、アラビカ種とロブスタ種で異なっているようです。
アラビカ種はウォッシュド精製、ロブスタ種はナチュラル精製となってます。
アラビカ種 | ウォッシュド精製 |
ロブスタ種 | ナチュラル精製 |
アラビカ種はきれいな酸が特徴ですが、ウォッシュド精製と合わせることで、よりさらっと飲みやすいクリアな味わいになります。
コンゴ民主共和国のコーヒーの味わいの特徴
コンゴ民主共和国のコーヒーは、黒糖のような重厚な甘さとコクがあります。
浅煎りにすると柑橘系のさっぱりした酸味が、深煎りにすると黒蜜の甘さが増してきます。
個人的には、中煎りから深煎りの焙煎度で、コンゴ民主共和国特有の甘さを味わうのがおすすめです!
コンゴ民主共和国のコーヒーのおすすめ抽出器具と淹れ方
さわやかな酸味を楽しみたい場合は、浅煎りで、ドリップの速度を調整しやすい「円錐型」のドリッパーがおすすめです。
コーヒーをドリップで抽出する際、以下の順番で味わいが生まれます。
- 酸味
- 甘み
- 苦み
- 渋み
そのため、浅煎りコーヒーでは、「2分30秒~3分」を目安にして、速いスピードで抽出してみてください。
- 蒸らしの水量を多めに
- 2投目を大胆に勢いよく
- ドリッパー全体を使って抽出
- 投入回数を3回に(少なめに)
深煎りコーヒーでは甘味と苦味を強調するように抽出したいです。
そのため、「台形」ドリッパーや「カリタウェーブ」ドリッパーがおすすめになります。
抽出速度は、「3分〜3分30秒」を目安に、じっくりと淹れてあげましょう。
- 蒸らしの量を少なめに
- 2投目はコーヒードームを崩さないようにゆっくり
- 投入回数を4回に(多めに)
また、深煎りを淹れるときは、細い口のケトルを使うと抽出しやすいです!
苦みが強いロブスタ種の上手な楽しみ方
コンゴ民主共和国は、ロブスタ種が発見された土地になりますし、アラビカ種だけでなくロブスタ種もおすすめです。
ロブスタ種は、苦味や癖が強く、それ単体で飲むのはあまりおすすめではありません。
そのため、一工夫した2つの楽しみ方をご紹介します。
楽しみ方①:エスプレッソ
1つ目は定番ですが、エスプレッソです。
アラビカ種の豆に10%~20%ほどブレンドしてエスプレッソにして飲むのが一般的です。
アラビカ種のみのエスプレッソと比べると、コクやうまみがグッと増して深みのある味に仕上がります。
エスプレッソマシンが自宅にあるという方は少ないと思いますが、直火式のエスプレッソであるマキネッタならリーズナブルに本格的な味を楽しめます。
ぜひ試してみてください。
楽しみ方②:ベトナムコーヒー
2つ目のロブスタの楽しみ方はベトナムコーヒーです。
その名の通り、ベトナムで親しまれている飲み方になります。
作り方は簡単で、ペーパードリップしたコーヒーを練乳やコンデンスミルクと割るだけです。
ロブスタの持つ苦味と練乳の甘味がちょうど中和して絶妙な味わいに仕上がります!
こちらはデザート感覚でも楽しめると思いますのでぜひ試してみてください。
まとめ
今回はコンゴ民主共和国のコーヒーについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
コンゴ民主共和国はロブスタ種が発見されるなど、コーヒーと深い縁がある国でした。
コンゴ民主共和国のコーヒー豆は比較的流通量は少ないものの、お店に並んでいることもあるかと思います。
この機会にコンゴ民主共和国のコーヒーをぜひ試してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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