産地ごとにどんな違いがあるんだろう?
コーヒーを好きになると、このような疑問をもつことが多いと思います。
コーヒーショップに行くと、豆の紹介は産地ごとにされるので、何もわからない状態だと自分で選ぶことができません。
Coffe fam.ではコーヒーショップに行ったときに、自分にピッタリのコーヒー豆が選べるよう、コーヒー豆の産地について解説していきます。
今回紹介するコーヒーの産地は「タンザニア」です。
他の産地が知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
≫【35ヶ国】コーヒー豆の味を産地・地域別にまとめてみた
今回紹介するのは、タンザニアですが、あまりピンとこないという方も多いのではないでしょうか?
しかし、実はタンザニアのコーヒーは、日本では広く飲まれている産地になります。
もしかすると、あなたも知らない間に飲んでいるかもしれませんので、ぜひ詳しく知っていただきたいです。
- タンザニアのコーヒーの歴史
- 栽培方法や農園について
- コーヒー豆の等級
- 主な品種や精製方法
- タンザニアコーヒーの主な味わい
- おすすめの飲み方
タンザニア産コーヒーの歴史
タンザニアで、本格的にコーヒー栽培が始まったのは、19世紀の終わりごろとされています。
19世紀後半 ドイツの保護領
20世紀前半 イギリスの保護領
このようにヨーロッパの国々に統治された状況が続き、完全に独立したのは1961年になります。
タンザニアは国土のほとんどが1000m以上の高原地帯に属しており、コーヒーの栽培に適した環境です。
そのため、19世紀後半、ヨーロッパの統治が始まったころから、大規模農園(プランテーション農業)でコーヒーの栽培が始まりました。
1914年には200万本のコーヒーノキが栽培されるなど、その規模はどんどん拡大していきました!
そんなタンザニアのコーヒーを有名にした一つのキーワード。
それは、「キリマンジャロ」です。
「タンザニアのコーヒー」は知らない人も「キリマンジャロコーヒー」なら知っているのではないでしょうか。
キリマンジャロというのは、タンザニアの東部にある標高5000mを超える山のことです。
高地で栽培されたコーヒー豆は、実が引き締まり上質なコーヒー豆になるため、日本では「キリマンジャロコーヒー=高級」というイメージで浸透しています。
1950年代に、ヘミングウェイ原作である「キリマンジャロの雪」という映画が世界的にヒットしました。これにより、キリマンジャロコーヒーが世界中に知られるきっかけになったともいわれています!
タンザニアの現在の栽培・農園状況
タンザニアにはコーヒー生産農家が約45万世帯存在し、労働人口の6%ほどが何らかの形でコーヒー産業にかかわっているというコーヒー大国です。
タンザニアでのコーヒー生産のうち90%程度は平均5ヘクタールほどの小規模生産者。残りの10%は30ヘクタール〜150ヘクタールの大規模生産者になります。
始まりはプランテーション農業だったと思うと、大規模生産者が辞めたのち分解されたか、新しく始める農家のほどんどが小規模生産者だったと考えられます。
タンザニア産コーヒーの等級
タンザニアのコーヒーの等級は、豆の大きさ(スクリーンサイズ)で決まります。
具体的には以下の図のようになっています。
等級 | 条件 |
---|---|
AA | 6.75mm以上の大粒の豆 |
A | 6.25mm~6.75mmの豆 |
B | 6.15mm~6.25mm以下の豆 |
C | 5.90mm~6.15mm |
E | エレファントサイズ |
PB | ピーベリー |
Eのエレファントサイズというのは、豆が極端に大きすぎるものを指します。
PBのピーベリーは収穫量の5〜20%しかとれない希少種とされています。
タンザニア産コーヒーの主な栽培品種
タンザニアで生産されるコーヒーのうち、70%ほどはブルボンなどのアラビカ種を原種として持つコーヒー豆です。
残りの30%は、ビクトリア湖西部のブコバ地区を中心に、ロブスタ種という苦味が強い品種のコーヒー豆を生産しています。
タンザニア産コーヒーの主な精製方法
ウォッシュド、ナチュラルでの精製が行われていますがほとんどはウォッシュド精製のコーヒー豆です。
特にビクトリア湖やキリマンジャロの周辺では降雨量が1000㎜ほどで多くなっているので、水をふんだんに使うウォッシュド精製が盛んにおこなわれています。
今ではタンザニア産のウォッシュド精製のアラビカ種のコーヒーはすべて「キリマンジャロ」という名前で流通していることもあるので、コーヒー豆屋さんでキリマンジャロと言う名前で並んでるものに関してはすべてウォッシュド精製と考えて問題ないかと思います。
タンザニア産コーヒーの味わいの特徴
タンザニアのコーヒーはすっきりとした酸味が特徴の一つです。
アフリカのコーヒーらしい野性的で力強いあじわいを楽しむことができます。
地域ごとの具体的な味わいは下記の表をご覧ください。
地域名 | 主なフレーバー | 特徴 |
---|---|---|
アルーシャ | ベリー、グレープ、アーモンド | 大粒のコーヒー豆。ベリー系の酸味の中に、ナッツのようなマイルドな味わいがある。 |
ンゴロンゴロ | ベリー、アーモンド | 力強い味わい。中深煎り以上で飲んだ時の鼻を抜ける野生味が特徴的。 |
ムベヤ | ワイン、ベリーチョコレート | タンザニアの中で高品質のコーヒー豆が多い。ベリーの酸味が特徴。 |
キゴマ | 柑橘系、ベリー | 酸味に加えてほどよいコクがあるのが特徴。 |
ムビンガ | ベリー、バニラ、ナッツ | タンザニアらしい酸味に加えて、まろやかな甘さが特徴。 |
タリメ | カシス、柑橘系、ブラウンシュガー | ベリー系ではなく柑橘系がメインに味わえる。後味はしっかりとしたコクとブラウンシュガーのような甘みがくる。 |
浅煎りでタンザニアのコーヒーが持つ酸味や個性的な風味を楽しむのはもちろん、深煎りにすれば酸味が抑えられて甘味やコクのバランスが取れた味わいを楽しむこともできます。
キリマンジャロという名前になじみがあるという方も多いと思うので、これからコーヒーを深く知ってみたいという方の入門編としておすすめなコーヒーです。
タンザニア産コーヒーのおすすめ抽出器具と淹れ方
タンザニアのように浅煎り〜深煎りまで幅広く楽しむことができるような豆に関しては、焙煎度によって抽出の仕方を変えるのがポイントです。
抽出の基本として、
酸味→甘味→苦味→渋み
の順に、抽出できます。
浅煎りコーヒーでは、酸味と甘味の味を強調するような抽出がしたいので、以下のように抽出するのがおすすめです。
- 「蒸らし」:豆の2.5~3倍程度の湯量で30秒
- 「2投目以降」:勢いよくお湯をそそぎ、ドリッパー全体を使って抽出
- 「注ぐ回数」:蒸らしを含めて3投
- 「抽出終了時間」:2分30秒ほどで抽出終了
深煎りコーヒーでは甘味と苦味を強調するように抽出したいです。
- 「蒸らし」:豆の1.5倍~2倍程度の湯量で30秒
- 「2投目以降」:ゆっくりとドームを壊さないように
- 「注ぐ回数」:蒸らしを含めて4投
- 「抽出終了時間」:3分ほどで抽出終了
浅煎りは酸味と甘みを、深煎りは甘みと苦みを楽しむために、抽出方法を変えるのがおすすめです。
まとめ
今回はタンザニアのコーヒーについて解説しました。
タンザニアのコーヒーと聞いてピンとこなかったという方も、キリマンジャロなら聞いたことはあったのではないでしょうか?
馴染みのあるコーヒーから練習して、徐々に味の違いを知っていっていただけると、よりコーヒーが面白くなると思います。
\他の産地はこちらの記事を参考に!/