眉間に力が入ってしまうようなコーヒーのきつい酸味が苦手・・・
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
実は私の友人もコーヒーの酸味が苦手で、つい先日、コーヒーのイメージを聞いてみると、
酸味が強すぎて飲みにくい!
ぶっちゃけまずい!!
と言っていました。
コーヒーの酸味が苦手な友人でも、思わず「おいしい!」と言ってしまった酸味が全くないコーヒー豆を紹介します。
半年間、何度も何度も焙煎を重ねて研究したコーヒー豆ですので、ぜひご覧ください。
酸味がなく飲みやすいコーヒー豆の選び方|焙煎度・生産国・精製方法による違い
酸味のないコーヒー豆を選ぶさいには、次のポイントに注目してください。
- 焙煎度
- 産地
- 精製方法
『焙煎度』が味の方向性を決めるので、一番重要です。
次に味の個性を決める『産地』、最後に『精製方法』を見ます。
ひとつずつ詳しく見ていきます。
最初に見るポイント:焙煎度
味の7割を決め、苦みか酸味かの大枠になるのが『焙煎度』です。
酸味を弱くするためにも中深煎り以上の焙煎度を選ぶことが重要になります。
個人的にはシティロースト~フルシティローストの焙煎度が、酸味が弱く、苦味とコクを味わえるのでおすすめです。
次に見るポイント:産地
次は『産地』に注目します。
なぜなら、コーヒー豆は生育環境により味が変化するため、自分に合った特徴の生産国を選ぶ必要があるからです。
エリア | 味わい |
---|---|
南米エリア | 穏やかで丸みのある酸味と甘み 酸味重視:コロンビア バランス重視:ブラジル |
中米エリア | 軽やかでさわやかな酸味とフルーティー感柑橘系のさわやかな酸味 |
東南アジアエリア | スパイスを思わせる独特な風味と酸味 コクやボディを強く感じる |
東アフリカエリア | 酸味に特徴があり、ボディは軽やか ケニア:キレのある酸味、柑橘系やベリー系の香り エチオピア:花のようなエレガントな香りとフルーティーさ |
ブラジルや東南アジアのコーヒー豆が酸味が少なくおすすめになります。
最後に見るポイント:精製方法
最後は『精製方法』に注目します。
『焙煎度』や『産地』と比べると味への影響はわかりにくいかもしれませんが、慣れてくるとすこしずつわかってきます。
精製方法 | 味わい |
---|---|
ナチュラル | ・酸味がやらわかく、渋みがない ・コクを楽しめる |
ウォッシュド | ・不純物や欠点豆が少なくクリーン ・粒がそろっている ・きれいな酸が楽しめる ・フローラル、フルーティな香り |
パルプトナチュラル | ほどよいコクとほのかな酸味 ※果肉をとるほどナチュラルにより、果肉を残すほどウォッシュドによる |
スマトラ式 | ・ハーブのような香味 ・アーシーと呼ばれるスマトラ式特有の味わい(癖になる人が多いです) |
どのような苦みの種類にしようか決める際に、上記の表を参考にしてください。
【酸味が苦手な方へ】酸味がなく飲みやすいコーヒー豆2つ
半年間研究を重ね、酸味も苦みもない、まったりとした甘みの強いコーヒー豆を焼き上げました。
酸味が苦手な方にはぜひお試しいただきたいので、紹介させていただきます。
【ブラジル】ほろ苦いチョコレートのような余韻が感じられるコーヒー豆
項目 | 詳細 |
---|---|
フレーバー | ダークチョコレート、ナッツ、アーモンド |
焙煎度 | フルシティロースト |
国 | ブラジル |
エリア | 南ミナス モジアナ セラード |
標高 | 700m-1100m |
品種 | カツアイ、ムンドノーボ |
精製方法 | ナチュラル |
農園名 | 南ミナス、セラード、モジアナの各農園 |
生産者 | 南ミナス、セラード、モジアナの各農園生産者 |
今回紹介する「Bitter-Chocolate » Brazil」は、最近のフルーティな味わいではなく、ナッツとチョコ感にこだわった甘くて香ばしいコーヒー豆です。
コーヒーらしい昔ながらの味わいに、こころがやすらぎます。
特徴
何度も実験を重ね見つけた、甘みと苦味のバランスがいい私の大好きな焙煎度です。チョコやナッツのフレーバーが感じられます。昔ながらの落ち着くブラジルコーヒーをぜひお楽しみください!
【インドネシア】ハーブのような香りとコクのある苦み
項目 | 詳細 |
---|---|
フレーバー | アーシー、ハーブ、ビターチョコレート |
焙煎度 | フレンチロースト |
国 | インドネシア |
エリア | 北スマトラ州 リントンエリア ドロッサングール |
標高 | 1400-1500m |
品種 | S-LINI、ティピカ、ジュンベリ |
精製方法 | スマトラ式 |
農園名 | ムンテ・ドライミル |
生産者 | 約130農家より(コレクター:チャールズ・ムンテ) |
「Herb & Strong-bitterness ≫ Indonesia」は、インドネシア北スマトラ州で丁寧に生産された豆を使用しています。
この豆は、生産量が少ない”マンデリン”と呼ばれるもので、酸味が少なくコクのある強い苦みが特徴です。
また、ただ苦いだけではなく”ハーブ”などの香味が感じられるので、特別な日に飲むコーヒーとしておすすめになります。
酸味を弱くするための抽出のコツ3選
コーヒー豆を購入したら、ぜひ酸味を弱める抽出を行ってください!
- 挽き目を細かくする
- 抽出スピードを遅くする
- 湯温を高くする
ひとつずつ解説します。
コツ①:挽き目を細かくする
挽き目を細かくすることで、酸味を弱めることができます。
お湯と触れ合う面積が増えるので、成分が多く抽出されるからです!
一番簡単に酸味を調整できる方法ですので、ぜひお試しください。
コツ②:抽出スピードを遅くする
抽出スピードを遅くすることで、酸味を弱めることができます。
なぜなら、コーヒーの成分は、「酸味→苦み→雑味」の順で抽出されるからです。
そのため、いつもよりもゆっくりとお湯を注ぐことで、苦みを引き出すことができます。
目安の時間としては、以下を参考にしてください。
酸味を強く:2分30秒~3分
苦みを強く:3分~3分30秒
ただし、あまりにもゆっくり淹れすぎると雑味がでてしまうので、注意してください。
コツ③:湯温を高くする
湯温を高くすることで、酸味を弱めることができます。
なぜなら、高温になればなるほど抽出効率を高めることができるからです。
いつもよりも3,4℃高い温度で淹れるだけでも、味が変わるのでぜひお試しください。
ただし、コツ①②と併用して行うと、苦み以上に雑味が出てしまいます。
口の中がとげとげするような嫌な苦み・渋みになるため、まずは挽き目や抽出速度でコントロールください。
酸味を好きになろう!酸味には”良い酸味”と”悪い酸味”がある!
すっぱいのは苦手!!
という方に向けて、ここまでは酸味の弱いコーヒー豆と抽出のコツを紹介しました。
ここからは、酸味を好きになってもらおう!という内容です。
多くの人が酸味に苦手意識をもっていますが、実はその酸味きらいは克服できるかもしれません。
コーヒーの酸味には2種類あります。
- 良い酸味:フルーツのような爽やかな酸味
- 悪い酸味:えぐみや渋みを伴うきつい酸味
”良い酸味”は、フルーツの香りがする爽やかな酸味です。
そのため、ネガティブな要素はまったくなく、果物が好きな人は絶対にハマってしまいます。
しかし、スーパーやコンビニなどで売られているコーヒーのほとんどが”わるい”酸味のコーヒーのため、それらを飲んで酸味が苦手だと勘違いしている人が多いです。
悪い酸味のコーヒーは、とにかく『えぐみ』『渋み』『酸味』がとてつもなく強い・・・
久しぶりに昔淹れていたインスタントコーヒーを飲んでのですが、酸味が強すぎて飲めませんでした・・・
お水で口をゆすぐくらいきつい酸味で一度”いい”酸味を知ってしまったら元には戻れません。
コーヒーの”悪い酸味”の発生原因2つ
悪い酸味が発生する原因は2つあります。
- 保存方法が間違っている
- グレードの低いコーヒー豆を使っている
原因①:保存方法が間違っている
コーヒー豆はデリケートで、保存方法を間違うとたった1日で劣化してしまいます。
劣化原因は5つあり、次の通りです。
- 水による劣化
- 炭酸ガスの放出による劣化
- 酸素による劣化
- 光・紫外線による劣化
- 高温による劣化
これらの原因に対して正しい対策をとることが重要です。
詳しい解説はこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
原因②:グレードが低い
コーヒーのグレードは5つあります。
品評会で入賞したコーヒーがCOEになるので、基本はスペシャルティグレードが最高です。
スーパーなどで買えるコーヒー豆は、一番下の『ローグレード』になります。
ローグレードだと、味気ない苦みが前面にでてきて、冷めるとイヤな酸味が悪目立ちします。
その結果、酸味が苦手になってしまうので、できるだけグレードの高いコーヒー豆を使うことが重要です。
詳しいスペシャルティコーヒーの話は下の記事で。
まとめ|スペシャルティコーヒーで様々な味わいを。
最後までご覧くださりありがとうございました。
今回のまとめをすると、酸味の少ないコーヒー豆は以下のポイントに注目して選ぶことが重要です。
- 焙煎度:深煎り(フルシティロースト、フレンチロースト)
- 産地:ブラジル、インドネシアなど
- 精製方法:楽しみたい味わいに合わせて。
スペシャルティコーヒー専門店「Coffee fam.」では、深煎りのブラジルとインドネシアを取り扱っているので、ぜひお試しください。