ベトナムコーヒーってどんな味がするの?
ベトナムコーヒーは日本で購入できるの?
ベトナムは、コーヒー生産国のひとつとしてとても有名です。
ただ、ベトナムで飲まれている「ベトナムコーヒー」については、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ベトナムコーヒーの豆や味、歴史などについて詳しく解説しています。
- ベトナムコーヒーの特徴
- ベトナムコーヒーの淹れ方
- ベトナムコーヒーのアレンジレシピ
- おすすめのインスタントベトナムコーヒー
この記事で、ベトナムコーヒーの味や歴史、特徴などについて知っておけば、ただ飲むだけよりも何倍も楽しむことができます。
ベトナムコーヒーの基本的な淹れ方や、最近注目されているベトナムコーヒーを使ったアレンジレシピも紹介しているので、いつものドリップコーヒーに飽きた人はぜひ参考にしてみてください。
ベトナムコーヒーとは?特徴を紹介
ベトナムコーヒーとは、主にベトナムで飲まれている練乳を入れたコーヒーのことです。
苦味の強いロブスタ種のコーヒー豆を「カフェ・フィン」という独自のフィルターを使用して濃く抽出し、甘くて濃厚なコンデンスミルクを加えて作ります。
そのため、「グラスの下に練乳、上にコーヒー」の二層構造になっており、下に沈んだ練乳をかき混ぜながら飲むのが一般的な飲み方です!
全体的に濃厚な味わいで、「喉をうるおす」というより、デザートに近い感覚で少しずつ飲みながらおしゃべりを楽しむのがベトナムコーヒーの楽しみ方だといえます。
コンデンスミルク(練乳)を入れる理由
ベトナムコーヒーに牛乳ではなく練乳を加えるようになったのは、ベトナムがフランスの植民地だった頃にさかのぼります。
1900年代、ベトナムがフランスの植民地だった頃、現地にいたフランス人が苦くてクセのあるロブスタ種のコーヒーを飲みやすくするため、牛乳の代わりにコンデンスミルクを入れました。
当時、新鮮な牛乳が不足していた事、またベトナムでは冷蔵庫が普及していなかった事もあり、常温保存ができる甘いコンデンスミルクが使われるようになったと言われています。
その飲み方が徐々にベトナム国内に広がり、それが現在のベトナムコーヒーの始まりです。
ベトナムはコーヒー豆の生産量は世界第2位
ベトナムは、コーヒー豆の生産量はブラジルに次ぐ世界第2位です。
またロブスタ種のコーヒー豆の生産では世界1位を誇っています。
ベトナムとブラジルだけで世界全体の約半分を生産しています!
どちらも驚くべき生産力ですね!
ベトナムのロブスタ種は日本へは生豆のまま出荷され、国内で焙煎・加工されたのち、他のコーヒー豆とブレンドされて販売されます。
主に缶コーヒーに使われます。
ベトナムコーヒーが広まった理由
ベトナムコーヒーのはじまりは1950年代にさかのぼります。
ベトナムコーヒーでコーヒーの栽培が始まった当初は、ベトナム北部にアラビカ種を導入していましたが、アラビカ種はベトナム北部の気候に合わず広まりませんでした。
その後、1908年ベトナムがフランスの植民地のころに、ベトナムにロブスタ種が持ち込まれます。
ロブスタ種はアラビカ種とは違いベトナムの気候や土壌と相性がよく、病気に強く、育てやすいため生産は拡大されていきます。
1990年代半ばになると、ベトナムはコーヒーの主要輸出国になり、コーヒー栽培に従事する農家をはじめ国民の雇用や収入を生み出し、多くの人々を貧困から救いました。
近年では、アラビカ種の生産にも力を入れ、ホーチミンから北東に約300km離れた標高1,500mにあるラムドン省ダラットでは、アラビカ種の主要生産地となり、ベトナムでも欧米や日本のようにコーヒーをストレートで飲むスタイルが注目されはじめています。
アラビカ種の高品質なコーヒーを楽しめるカフェがダラットをはじめ、ハノイやホーチミンで続々オープンし、若者を中心に進化したベトナムコーヒーが人気を集めています。
ベトナムコーヒーの淹れ方
日本でコーヒーはドリッパーを使用して淹れますが、ベトナムコーヒーも日本で良く見るドリッパーとは全く異なる形をした専用のドリッパーを使用して淹れます。
こちらでは、ベトナムコーヒーを入れる専用ドリッパー「カフェ・フィン」を使った詳しい淹れ方を紹介します。
カフェ・フィンはAmazonで1,000円程度で購入できるので、初めての方でも手が伸ばしやすいコーヒー器具です。
準備するもの
ベトナムコーヒーを淹れる時に必要なものを紹介します。
- 深煎り中挽きのコーヒー粉12g~15g
- お湯約120ml
- コンデンスミルク 20~25g
- カフェ・フィン
- 耐熱用グラス
- お湯を注ぐポット
- キッチンスケール(なくてもOK)
コーヒーの粉はベトナム産ロブスタが理想的ですが、もしない場合は焙煎度深めのコーヒーの粉で代用も可能です。
材料を見ていただくと、コーヒーの粉12g〜15gに対して、お湯約120mlとかなり濃いめに抽出します。
またカフェ・フィンのフィルターの穴は、ペーパーフィルターに比べ穴は大きく微粉を通す大きさです。
同じコーヒーでも、普段ペーパーフィルターで飲む方にとっては違った味わいを感じられることでしょう!
淹れ方
ベトナムコーヒーの淹れ方を解説します。
- カフェ・フィンにコーヒーの粉をセット
- コーヒーの粉の上に中蓋を乗せる
※中蓋にネジがあるタイプは、しっかりネジを締める - グラスに、用意したコンデンスミルクを入れる
- グラスの上にカフェ・フィンを乗せる
- 中蓋の上からお湯を少量注ぎ、約20秒コーヒーを蒸らす
- 20秒ほどたったら、残りのお湯を注ぐ
- 上蓋をして約5分〜10分コーヒー液が落ちきるのを待つ
- コーヒー液が落ちきったら、カフェ・フィンを取り外し出来上がり!
飲み方は、底にたまったコンデンスミルクをかき混ぜながら飲みます。
しっかり混ぜても良いですし、軽くかき混ぜて下に行くほど徐々にコンデンスミルクの味が濃く感じられる飲み方もおすすめです!
コンデンスミルクの量については、自分の好みに合わせて調節してください。
注意点
カフェ・フィンのフィルターはペーパーフィルターに比べ目が粗いため、コーヒーの粉の粒度は中挽きよりも細かい粉を使わないようにしてください。
粉がフィルターの穴を抜けて、すごく飲みづらいコーヒーになってしまいます。
また中蓋をネジで締めるタイプの場合、締め加減によってコーヒーの濃さが変わります。
強く締めると、より濃いコーヒー液が抽出されますので、好みに合わせて締め加減を調節してください。
ベトナムコーヒーのアレンジレシピ5選
ベトナムでは、今回紹介したコンデンスミルクを入れて飲む方が多いですが、それ以外の飲み方をする人もいます。
こちらでは、ベトナムで飲まれているアレンジレシピを紹介します。
アレンジ①:ブラックベトナムコーヒー(豆の味を楽しめる)
ブラックベトナムコーヒーは、コンデンスミルクを入れずに飲む方法です。
飲み方はホットとアイスがありますが、アイスの方が広く飲まれています。
- ベトナムコーヒーを作る要領で濃いめにコーヒーを抽出
- グラスに氷を用意
- 氷の入ったグラスに抽出したコーヒーを加えよくかき混ぜて完成!
苦味が強いのが特徴で、豆の味を楽しみたい方におすすめです。
アレンジ②:牛乳入りのベトナムコーヒー(まろやかでほんのり苦い)
ブラックベトナムコーヒーに牛乳を加えて、カフェオレとして楽しむレシピです。
アイスでもホットでも美味しくいただけます。
- ベトナムコーヒーを作る要領で濃いめにコーヒーを抽出
- アイスの場合は、グラスに氷を用意
- 牛乳を加え、よくかき混ぜまぜて完成!
日本で飲むカフェオレとは全く違う味わいに仕上がります。
ミルクを加える時は、ブラックベトナムコーヒー1に対して、ミルク2の割合がおすすめです。
苦いコーヒーが苦手な方は、ガムシロップを入れてもOKです。
アレンジ③:ベトナムエッグコーヒー(濃厚で絶妙な味)
次に、ベトナムハノイ発祥といわれている卵を使ってつくるエッグベトナムコーヒーを紹介します。
ベトナムエッグコーヒーは、ベトナムの中で人気のアレンジレシピのひとつです。
卵とコンデンスミルクを混ぜ合わせることで、まるでカスタードクリームをのせたような味わいで、デザートとしても楽しめるドリンクです。
- ベトナムコーヒーを作る要領で濃いめにコーヒーを抽出
- ボウルに卵黄1個とコンデンスミルクを入れる
- 泡立て器またはハンドミキサーで、ふんわりとした泡状になるまで混ぜる
- 抽出したコーヒーを小さじ1杯程度、3.に加え、さらに泡立てる
- グラスにコンデンスミルク、コーヒーの順に注ぎ、最後に泡立てた卵を注いだら出来上がり!
卵を使って作るコーヒーは、ベトナム以外の国でも、広く世界的に飲まれています。
オーストラリアやヨーロッパでは、卵とラム酒を使ってつくるエッグノックコーヒーが有名で、エッグベトナムコーヒーに似たクリーミーな味わいが特徴です。
アレンジ④:ヨーグルトコーヒー(酸味が美味しい)
次も、ハノイ発祥のコーヒーで、その名の通り、ヨーグルトにコーヒーを入れたドリンクです。
コーヒーの苦味とヨーグルトの酸味がマッチした爽やかな味わいになります。
- ベトナムコーヒーを作る要領で濃いめのコーヒーを抽出
- 抽出したコーヒーを冷やし、アイスコーヒーにしておく
- グラスにコンデンスミルク大さじ2杯と無糖ヨーグルト100gを混ぜ合わせる
- グラスにアイスコーヒーを注ぎ完成!
今回はアイスで飲む作り方を紹介していますが、ホットでも美味しく作れます。
ホットで飲む場合は、ヨーグルトをレンジで数十秒温め、ホットコーヒーに混ぜればホットヨーグルトコーヒーの完成です。
甘めが好きな方は、コンデンスミルクを多めに、苦手な方はコンデンスミルクの量を少なめにするなど、好みに応じて調節してください。
アレンジ⑤:アボカドコーヒー(深いコクが癖になる)
ベトナムでは、アボカドとコンデンスミルクを混ぜたシェイクが人気です。
このアボカドシェイクにコーヒーを加えると、アボカドコーヒーになります。
濃厚かつ深いコクが癖になる味わいで、失礼ですが意外とおいしいです。
アボカドコーヒーは栄養価が高く美容効果も期待でき、また腹持ちもよくダイエットとしても効果的です。
デザート・ダイエットドリンクとしてもおすすめになります。
- ベトナムコーヒーを作る要領で濃いめのコーヒーを抽出
- 抽出したコーヒーを冷やし、アイスコーヒーにしておく
- ミキサーに「クラッシュアイス適量」と「アボカド1個」、「練乳を大さじ1.5杯」入れてかき混ぜる
- なめらかになったら、グラスにアボカドスムージーとチョコレートソース、コーヒーを交互に入れて完成!
少しドロっとした感じが苦手な方は、ミキサーで攪拌する際に、牛乳を入れるとドロっと感が解消され飲みやすくなります!
甘めが苦手な方は、コンデンスミルクやチョコレートの量を調節してみてください。
手軽に楽しめる! | おすすめのインスタントベトナムコーヒー
ベトナムコーヒーには興味はあるけど、いちから器具や粉を準備するのはちょっと…という方もいるかと思います。
こちらでは、より手軽に楽しめるインスタントタイプのベトナムコーヒーを紹介します。
G7コーヒー | カルディで購入できるインスタントタイプのベトナムコーヒー
G7コーヒーは、世界の70カ国以上で飲まれているインスタントタイプのベトナムコーヒーです。
ネット通販サイトでも購入できますし、コーヒーや輸入食品の専門チェーンであるカルディでも購入できます。
コーヒー・ミルク・シュガーが一体になった「3 in 1」コーヒーで、濃厚で深みがある味わいとミルクの甘さが感じられるインスタントコーヒーです。
50袋入りで、3000円前後で購入できます。
ヴィナカフェビエンホア社 Vinakafe | 最も歴史あるベトナムインスタントコーヒー
ベトナムで最も歴史がある「ヴィナカフェ ビエンホア社 Vinacafe」。
1968年に誕生し、3in1からブラックコーヒーまでさまざまな種類のコーヒーを販売しています。
3in1タイプのコーヒーは厳選されたコーヒー豆と乳脂肪を抑えたまろやかな味わいのコーヒーです。
自宅やオフィスで、手軽に本格的なベトナムコーヒーを味わえます。
20袋入りで、700円前後で購入できます。
まとめ | ベトナムコーヒーで普段とは違ったコーヒータイムを過ごそう!
ベトナムでは、1950年代からコーヒーの栽培が開始され、現在主要生産品種であるロブスタ種は、1908年フランスの植民地時代に持ち込まれたのがはじまりです。
それがどんどん広がり、コーヒー豆の生産量はブラジルに次ぐ世界第2位、ロブスタ種のコーヒー豆の生産では世界第1位を誇っています。
ロブスタ種は苦味が強くクセがある味わいが特徴です。
それを飲みやすくするために、当時冷蔵庫など保存方法がなかったため、常温保存ができるコンデンスミルクを入れるようになったのがきっかけです。
現在では、ベトナムコーヒーを使ったいろいろなアレンジレシピが登場し、ドリンクだけでなくデザートとしても楽しめるようになっています。
まだベトナムコーヒーを味わったことがないという方は、まずは手軽に楽しめるインスタントコーヒーからはじめてみてはいかかでしょうか?
きっと今まで味わったことがない、コーヒータイムを過ごせるはずです!