今回のテーマは「塩コーヒー」についてです。
塩コーヒー?
正直言ってあまり聞いたことがない。
という方が多いのではないでしょうか。
かくいう私も塩コーヒーには今まであまり縁がなく、飲んだことすらありませんでした。
そんな謎の塩コーヒーに関して、今回は以下の内容でお伝えします。
- 塩コーヒーの味
- 塩コーヒーの効果
- 塩コーヒーの作り方
塩コーヒーにまつわる様々な疑問に答えるべく、リサーチをしたり実際に自分で作ってみたりしたので、ぜひご覧ください。
エチオピアの伝統的な飲み方「塩コーヒー」とは?
塩コーヒーとは、その名の通りコーヒーに塩を入れて飲む飲み方のことを言います。
日本では馴染みがないので最近出てきたコーヒーのアレンジという風に思うかもしれません。
しかし、世界を見渡すと、エチオピアをはじめアメリカやヨーロッパでもコーヒーに塩を入れて飲むのはポピュラーな飲み方として存在するようです。
特にコーヒー発祥の地エチオピアでは、伝統的に塩コーヒーが飲まれています。
エチオピアでは日本に「茶道」があるように、コーヒーでおもてなしをする伝統的な作法として「カリオモン」というものがあります。
カリオモンではお客様のために合計で3杯のコーヒーを淹れます。
そのうち2杯目に出すコーヒーのことを「トーナ」と呼び、トーナは、コーヒーに塩を入れる飲み方です。
と言われても、日本では塩コーヒーに馴染みがないというのも事実。
実際にどんな味がするのかは気になるところではあります。
塩コーヒーの気になる味わいは?
塩コーヒーを実際に飲んだとき、一言で言うと「まろやかなコーヒー」と言う印象を受けました。
これには味覚の相互効果というものが関係しているようです。
味覚の相互効果とは、苦味・甘味・塩味・酸味・旨みのうち、2つ以上の味覚を感じた時に味覚同士がお互いに影響しあうことで味が変化したように感じる作用のことを言います。
こう言われるとすごく難しい感じがしますが、味覚の相互作用は気づかないうちに日常生活のあらゆる場所に潜んでいます。
例えば「スイカに塩をかけて食べると甘みが増したように感じる」これは塩味と甘味の相互作用です。
他にも「ハチミツレモンは甘味と酸味の相互作用で酸味がまろやかになる」「コーヒーとケーキを一緒に食べると苦味と甘味の相互作用で苦味を弱く感じる」など、あげればキリがないほどあります。
では、コーヒーに塩を入れた時にはどのような味覚の相互作用が働いているのでしょうか?
苦味・甘味・塩味・酸味・旨みの5つの味覚のうち、個人差もあると思いますがコーヒーから主に感じ取ることができるのは苦味・酸味・甘味の3つです。
このうち塩味と相互作用を起こすのは、酸味と甘味です。
具体的には下の2つの相互作用が働きます。
①酸味+塩味→酸味がまろやかになる
②甘味+塩味→甘味が引き立つ
さらに②で甘味が引き立ったことにより、
③苦味+甘味→苦味を弱く感じる
という味の相互作用も起こります。
つまり、コーヒーに塩を入れたときに感じる味は①②③のを合わせて
「酸味がまろやかで、甘味が引き立てられ、苦味を感じにくい」
というふうに言語化できます。
強い酸味が苦手な方や、苦いコーヒーは飲めないという方は一度塩コーヒーを試してみると自分の理想のコーヒーと出会えるかもしれません!
【ダイエット中の人必見】運動前に塩コーヒーがおすすめ!
みなさん運動前にコーヒーが効果的であることはご存じでしょうか?
コーヒーに含まれているカフェインの作用で持久力、スピード、筋力などさまざまな運動のパフォーマンスが向上するという研究がたくさんあります。
他にも運動中の疲労を軽減したり、脂肪燃焼の効果を高める効果があるなどといった研究も行われています。
とにかく運動とカフェインは相性がとてもいいのです!
しかし、カフェインにはデメリットもあります。
それは「利尿作用」です。
カフェインの利尿作用によって体内の塩分が尿と共に排出されやすくなります。
すると、体内の塩分が不足した状態で運動することになってしまい、脱水症状や熱中症の原因となってしまうのです。
そこで、運動前のコーヒーを塩コーヒーにすることで、おいしくカフェイン摂取と塩分補給を効率的に行うことができるのです。
ダイエット中の方や、これからダイエットしようと考えている方はぜひ参考にしてみてください!
簡単にできる塩コーヒーの作り方
ここからは塩コーヒーの作り方について説明していきたいと思います。
とはいえ作り方はとても簡単で、抽出したコーヒーに塩をひとつまみ入れるだけです!
抽出方法は、ドリップコーヒーかフレンチプレスがおすすめです。
作り方はすごく簡単ですよね!
ただ、塩コーヒーを楽しむために、一つだけ意識して欲しいポイントがあります。
それは、使うコーヒー豆の種類です。
使うコーヒー豆は”酸味に特徴のあるもの”を選びましょう。
先述の通り、塩を入れることによってコーヒーの苦味・甘味・酸味の感じ方が変化します。
ただ、コーヒーの種類によっては元々酸味をほとんど感じないものもあります。
塩によるコーヒーの味の変化を感じるためにも、まずは酸味に特徴のあるコーヒー豆を使ってみて欲しいです。
酸味に特徴のある豆として、以下の産地のものがおすすめになります。
- エチオピア
- ケニア
- コスタリカ
この3つの国の豆は特徴的な酸味を持っていることが多いので参考にしてみてください。
また、焙煎度は浅煎りか中浅煎りのものがおすすめです。
伝統的なコーヒーのアレンジレシピをお楽しみください!
ここまで伝統的なコーヒーのアレンジレシピ「塩コーヒー」について解説しました。
塩をひとつまみ入れるだけで、3つの相互作用が働きます。
①酸味+塩味→酸味がまろやかになる
②甘味+塩味→甘味が引き立つ
③苦味+甘味→苦味を弱く感じる
シンプルなのに複雑な反応を引き起こす、面白い飲み方をぜひお楽しみください。