皆さんはコーヒー豆を買ったり、飲んだりするとき何をポイントに選びますか?
やはり、お気に入りの産地が真っ先に目に入るでしょうか?
個人的には「品種」をポイントに選ぶと、よりコーヒー豆本来の味を楽しめるのではないかと思います。
なぜなら「品種によってコーヒーの味わいはまったく違ってくるから」です。
お米の品種をイメージするとわかりやすいかもしれません。
日本のお米は「コシヒカリ」「あきたこまち」など、たくさんの品種があります。
どれも同じお米ですが、よく味わって食べると「甘さ」や「ねばり気」などが異なるはずです!
米に品種による味の違いがあるように、コーヒー豆にも品種による味の違いがあります。
今回の記事では、コーヒー豆の数ある品種の中でも味わいの美味しさで有名な「ピンクブルボン種」についてお話ししていきます。
内容の流れですが、品種の理解を深めていただきたいので
【前半】 ブルボン・イエローブルボン種について
【後半】 ピンクブルボン種について
の順でお話ししていきます。
最後まで読み終えたときには、「ピンクブルボン種」について、今よりも深く理解できるようになるのでぜひご覧ください。
そもそもブルボン種とは?
私たちが日常的に言うコーヒー豆は、「コーヒーノキ」という熱帯植物の「種」を指しています。
コーヒーノキにはさまざまな属性や種があり、中でも、商業的に流通している品種は「アラビカ種」と「カネフォラ種」の2種類です。
アラビカ種は、その品質の高さから現在では世界中の多くの農園で育てられ、ほとんどのコーヒーショップはこのアラビカ種を扱っています。
そしてご存じの通り、アラビカ種の品種はひとつではありません。
何十種類もの品種が存在しており、それぞれ異なる特徴をもっています。
今回紹介する「ブルボン種」もアラビカ種の中の1つの品種です。
ブルボン種は、豆自体は丸みがあり小粒ですが、濃厚なコクや芳醇な風味、なにより甘味が特徴になります。
一般的なブルボン種の種類(イエロー、レッド)
一般的なブルボン種は大きく分けて2種類あります。
- レッドブルボン種
- イエローブルボン種
簡単に言うと「色」と「品種の掛け合わせ」が違いです。
レッドブルボン種を始めとした通常の品種のコーヒーチェリーは、「緑→黄色→オレンジ→「赤」→赤黒→黒」と、熟度によって変化します。
赤色が、「完熟」した美味しいサインなので、基本的にはこの色になったら収穫時期です!
しかし、イエローブルボン種の場合は、「黄色」が完熟のサインになります。
黄色で完熟した後に、赤色になることはないため、レッドブルボン種とは異なる品種とされているのです。
具体的にどのような違いがあるのかは、下の表をご覧ください。
レッドブルボン種 | イエローブルボン種 | |
---|---|---|
完熟のサイン | 赤色 | 黄色 |
味わい | 柑橘系の酸味と豊かな甘み | レッドブルボン種よりも甘みが強い |
豆の形状 | やや小粒 縦長な形状の場合も | やや小粒 縦長な形状の場合も |
発見地 | ブルボン島 | ─ |
主な生産国 | ブラジル | ブラジル |
その他 | ティピカ種の突然変異種 | イエローティピカ種×レッドブルボン種の交配種 |
ピンクブルボンの基本情報と一般的なブルボン種との違い
「甘さ」が特徴のブルボン種ですが、中には「とても華やかで、まるでゲイシャ種のような特別な味わい」のものがあります。
それが今回のテーマの「ピンクブルボン種」です。
ピンクブルボン種は、完熟しても赤色にならず、オレンジがかったピンクのような色になります。
赤色になる前の途中のようにも思えますが、しっかり完熟した色が「ピンクに近い色」に見えることから名づけられました。
ピンクブルボン種 | |
---|---|
正式名称 | Bourbon Rosado(ブルボンロサード) ※ロサード:スペイン語でピンク色を意味する |
完熟のサイン | ピンク |
味わい | 後述(ゲイシャ種に近い) |
豆の形状 | 縦長で先端が長い。 ゲイシャ種に少し似たような形状 |
主な生産国 | コロンビア |
特徴 | さび病に強い |
ピンクブルボンはどのようにして生まれたのか?
ピンクブルボンはコロンビアのHuilla県(ウィラ)で発見されました。
コロンビアでは、品種改良もさかんに行われていますが、このピンクブルボンは自然交配種になります。
イエローブルボン種 × レッドブルボン種
自然交配種だからか、現段階ではこれ以上解明されていません。
ピンクブルボンの気になる味わい
ピンクブルボンの気になる味わいですが以下の特徴があります。
- フローラルで華やかな香り(ゲイシャ種に近い)
- ハーブのような爽やかさ
- しっかりとした甘さ
- シルクのような口当たり
- リンゴのような酸味
全体的にレッドブルボンやイエローブルボンと比べると「明るい」「華やか」「フルーティ」な印象があります。
ゲイシャ種に近いフレーバーを持っているため、最近有名になっている品種ですね!
生産エリア、農園、精製方法等、また個人の主観でも大きく変わるので一概に言えませんが、大まかには以上のような風味を楽しめます。
最新のコーヒー品種「ピンクブルボン」のまとめ
今回は、最近話題のピンクブルボンについてお話しました。
まだまだ解明されてないこともあるため、情報は少ないですが、まとめると以下のようになります。
- ピンクブルボンは希少性が高く、さび病に強いため生産量が増えて広まった
- ピンクブルボンにはゲイシャ種に似たフレーバーがあり、華やかな味わい
なかなかお目にかかれない品種ですので、見つけたらぜひ飲んでみてください!