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【唯一の国際資格】Qグレーダーとは?難易度や費用、試験内容について解説

※Coffee fam.は「私が初心者時代に悩んだこと」を振り返り、記事にまとめています。中には悩みの解決に役立ったものをPRしていますのでご容赦ください。

コーヒーに関する資格で、唯一の国際資格があることをご存じでしょうか?

今回紹介する資格は、コーヒーの唯一の国際資格「Qグレーダー」です。

コーヒーに関する業務に従事している方はもちろん、カフェ開業など、これからコーヒーを仕事にしていきたい方の目標となる資格になります。

この記事では、Qグレーダーの資格に関する費用や難易度、試験内容について解説します。

5分くらいで読めますので、ぜひ最後まで読んでQグレーダーの資格取得にお役立てください。

目次

Qグレーダーとは?必要な費用も解説

Qグレーダーとは、正式には「Licensed Q Grader」と呼ばれ、コーヒー豆の品質を客観的に評価を行うための資格です。

日本だけでなく、世界に通用する資格であり、米国スペシャルティコーヒー協会(SCAA)のルールに則ってコーヒー豆の評価・認定を行えます。

最近、日本でもQグレーダーの資格を取得する人が増えており、その資格の重要性は年々高まっている状況です。

資格の受験はCQI(Coffee Quality Institute)が公認している日本の施設で取得することができます。

CQIとはSCAAの関連団体で、生産者が安心して高品質のコーヒーを生産でき、より良い生活ができるよう支援することを目的に設立されたコーヒー品質協会のことです。

かず

私がQグレーダーを受験するときには日本スペシャルティコーヒー協会で受けようと思っています!

資格を取得するための費用は約330,000~380,000円かかります。

受験項目、試験開催機関によって料金が異なりますので、事前にご確認ください。

また、Qグレーダーの資格は試験日より3年ごとの更新が必要です。

更新には再度試験に合格する必要があり、更新費用として約20,000円かかります。

Qグレーダーの資格試験については、記事後半の「Qグレーダーの受検方法4ステップ」で詳しく解説します。

Qグレーダーの難易度は?

Qグレーダーは、コーヒーに関する唯一の国際資格であり、難易度はかなり高いと言えます。

その理由は、コーヒー豆を客観的に評価する必要があるため、知識だけでなく実技、技能など幅広いスキルが求められるからです。

Qグレーダーの資格は、世界のコーヒー従事者の0.016%しか合格できない資格と言われており、海外では約4,000人、日本では約300人が資格を保有しております。

Qグレーダーの試験内容を詳しく解説

次に、Qグレーダーの試験内容について詳しく解説します。

Qグレーダーの資格には、以下の2種類あります。

  • CQI認証アラビカグレーダー:アラビカ種コーヒー豆の鑑定士資格
  • CQI認証ロブスタグレーダー:ロブスタ種コーヒー豆の鑑定士資格

豆の種類によって、2種類に分けられますが仕事内容は同じです。

Qグレーダーの試験は10科目20試験になります。

試験内容は、以下の通りです。

科目
General Coffee Knowledge

さまざまな分野においてコーヒーに関する一般的な知識を問うマークシート式の試験です。

100問を60分で解答します。

科目
Sensory Skills

味覚の試験です。

コーヒー液は使用せず、それぞれのコースで下記溶液を単体または混合して用います。

各溶液の濃度レベルは3段階あり、2試験(①各溶液の濃度順の並び替え ②各溶液の混合液に含まれている味とその味の濃度レベルの違い)実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:甘味/塩味/酸味
Qロブスタグレーダーコース:甘味/塩味/酸味/苦味

科目
Olfactory

嗅覚に関する試験です。

コーヒーに含まれることが多い36種類の香り(アロマエッセンス)を識別します。

香りのグループ毎に分けて4試験実施されます。

ロブスタコースとアラビカコースで、使用されるアロマエッセンスの種類が異なる場合が多いです。

4試験
Enzymatic、Sugar Browning、Dry Distillation、Aromatic Taint

科目
Flavor Standards

フレーバーを識別する試験です。

コーヒーに含まれる可能性がある14種類のフレーバーを、Qグレーダーとして認識できる能力があるかテストします。

14種類のフレーバー
Floral, Fruity, Molasses, Vanilla, Almond, Warming Spices, Bitter, Phenol Defect, Under-Ripe, Musty, Papery, Potato Defect, Sour

科目
Triangulation

1つのトレイ上に並べられた3つのカップから1つだけ異なるコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。

トレイは1試験に6個あります。精製方法や産出地域のグループ毎に分けて4試験実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③East Asia ④Indonesia

科目
Organic Acid Matching Pairs

下記4種類の酸を添加したコーヒー液を、カッピングを通じて識別する試験です。

1つのトレイ上に並べられた4つのカップから酸が添加されたものを選び、その酸がどの酸であるかを解答します。

トレイは1試験に8個あります。

4種類の酸
クエン酸、リンゴ酸、酢酸、リン酸

科目
Roasted Sample Identification
Qアラビカグレーダーコース

1つのトレイ上に並べられた3つのカップから、1つだけ異なって焙煎されたコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。

焙煎はSCA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ダークローストの4種類があります。

トレイは1試験に6個あります。

Qロブスタグレーダーコース

テーブル上に並べられた6検体の豆が、それぞれどのように焙煎された豆かを識別する試験です。

見た目、粉砕音、液体の色、味わい等から判断し、判断理由も含めて回答します。

焙煎はCQI・UCDA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ファストロースト、ダークローストの5種類があります。

科目
Green Coffee Grading

与えられた生豆(350g)に対して、SCA(アラビカコース)/CQI・UCDA(ロブスタコース)が定めるディフェクト豆を見つけ出し、その種類ごとに定められたディフェクト豆の個数に対する欠点数を計算、コーヒーを等級付ける試験です。

科目
Roasted Coffee Grading

与えられた焙煎豆(100g)に対してクエーカー豆を見つけ出し、その個数によってコーヒーを等級付ける試験です。

科目
Cupping

SCA方式(アラビカコース)/CQI・UCDA方式(ロブスタコース)に基づき、カッピングを通じてコーヒーの官能評価をする試験です。

精製方法や産出地域のグループごとに4試験実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③East Asia ④Indonesia

引用:「Japan Coffee Exchange:試験概要

10科目20試験に合格する必要があり、資格を取得するためには、講習を受講するだけでなく、日々の鍛錬が重要になってきます。

難易度に見合うQグレーダーのメリット

これだけ難易度が高く、安くはない受講料を払ってまでQグレーダーの資格を取得するメリットはどこにあるのでしょうか。

この章では、Qグレーダーのメリットについて解説します。

Qグレーダーの資格のメリットはいくつかありますが、最大のメリットは「国際資格を取得できる」ことです。

コーヒーに関する資格は民間団体や協会が認定しているものがほとんどの中、世界的に通用する資格をもつことで、仕事の幅や、信用度が増します

日本でQグレーダーの資格をもっている人は300人くらいで、希少性もかなり高いです。

資格取得の難易度は高いですが、それだけのリターンが見込める資格になります。

Qグレーダーの受験方法4ステップ

Qグレーダーの受験方法は大きくわけて4ステップあります。

この章では、Qグレーダーの受験方法について詳しく解説していきます。

ステップ①:公式サイトより申し込み

まずは、受験ができる機関を探し、申し込む必要があります。

開催機関は、CQI(Coffee Quality Institute)が公認している日本の施設で受講可能です。

講習を受けられる機関の公式サイトは以下の通りです。

Japan Coffee Exchange

SHOW BEANS .LAB

日本スペシャルティコーヒー協会(Qアラビカグレーダーのみ)

各機関ごとで、受験できる日や費用が異なります。

また通常6から7日連続で受講する必要がありますが、平日プラン週末プランなど受講しやすい環境を設けている機関もあります。

まずは、各機関のサイトを確認し、ご自身が受講しやすい機関を選ぶのがおすすめです。

ステップ②:3日間の講習会を受ける

Qグレーダーの資格をとるには、6日から7日間連続の講習と試験を受け、合格する必要があります。

最初の3日間は講習です。

講習は10科目あり、大きく以下の2つの科目に分けられます。

基礎力科目

コーヒー評価のプロとして必要な味覚・嗅覚が備わっているかを確認

応用力科目

SCA方式のコーヒー評価に必要な知識・技能を習得できているかを確認

3日間かけて、コーヒー評価のプロフェッショナルとして必要な基礎知識から応用までを講習を通じて習得していきます。

ステップ③:3日間の試験を受ける

後半の3日間は試験です。

20試験あり、Qグレーダー資格を得るためには、全てに合格する必要があります。

試験は正しい知識を習得できているかの筆記試験はもちろん、実技や能力を測る試験もあります。

繊細な味覚や嗅覚を求められる試験のため、体調管理も重要です。

ステップ④:不合格の場合はリテイクを受ける

万が一、不合格になった場合は、リテイク(再試験)も行われています。

リテイクは、試験を受けた日から18ヶ月以内に不合格であった試験を各2回までできます。

もし上記の期間、回数以内に全20試験に合格出来なかった場合は、再度講習会から受講する必要がありま

リテイクするにも費用がかかるので、緊張感はかなりのものです。

唯一の国際資格!Qグレーダーはプロを目指す人におすすめ

今回、コーヒーに関する唯一の国際資格であるQグレーダーについて解説してきました。

試験内容や、合格率を見て愕然とした方も多いのではないでしょうか。

それだけコーヒーは奥が深く、知識や技術が必要なものであると言えます。

今後さらにスペシャルティコーヒーの需要が高まることが予測され、それに伴いコーヒー鑑定のプロであるQグレーダーの需要も高まることでしょう。

資格を取得する難易度は高いですが、試験に合格した時の喜びは何にも代えがたいものになるはずです。

ぜひ、世界中で通用する鑑定士を目指してみましょう!

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もし、コーヒー初心者の友達に教えるなら。

というテーマで私が学んできたコーヒーの知識をまとめました!

1ヶ月目で学ぶこと、2,3ヶ月目に学ぶこと、1年目で学ぶことといったように、体系的にまとめてあります。

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