産地ごとにどんな違いがあるんだろう?
コーヒーを好きになると、このような疑問をもつことが多いと思います。
コーヒーショップに行くと、豆の紹介は産地ごとにされるので、何もわからない状態だと自分で選ぶことができません。
Coffe fam.ではコーヒーショップに行ったときに、自分にピッタリのコーヒー豆が選べるよう、コーヒー豆の産地について解説していきます。
今回紹介するコーヒーの産地は「ケニア」です。
他の産地が知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
≫【35ヶ国】コーヒー豆の味を産地・地域別にまとめてみた
今回紹介するケニアは、スペシャルティコーヒーを引っ張る有名産地です。
高品質のコーヒーばかりですので、ぜひ今回の解説を参考にコーヒー豆を買ってみてください。
- ケニアのコーヒーの歴史
- 栽培方法や農園について
- コーヒー豆の等級
- 主な品種や精製方法
- ケニアコーヒーの主な味わい
- おすすめの飲み方
ケニア産コーヒーの歴史
ケニアでコーヒーの栽培が始まったのは19世紀後半ごろと言われています。
キリスト教の宣教師がコーヒーをケニア国内に持ち込んだという説や、当時ケニアを保護領として支配していたイギリスが持ち込んだという説など、きっかけに関しては諸説があります。
その後、ケニアでは1933年にはコーヒー業界に法令が制定され、その翌年の1934年にはケニアコーヒー局という公的機関が設置されています。
このように国が中心となってケニアのコーヒー業界をけん引していくようなシステムが構築されてきました。
そのような活動の中で、コーヒー研究財団という世界で初めてのコーヒー専門の研究機関や、ケニアコーヒーカレッジというコーヒーに関するトレーニング専門の機関を設置するなどしてケニアのコーヒーの品質を確かなものにするための取り組みも積極的に行われてきました。
コーヒー豆は、ケニアの農産物輸出のうち5〜6%ほどの割合で決して高いわけではありません。しかし、高い品質のケニアのコーヒー豆は、現在世界中でコーヒー愛好家なら知らない者はいないと言い切れるほど愛されるコーヒーとなってます。
ケニアの現在の栽培・農園状況
ケニアでは主に以下の4つの地域でコーヒーの生産が盛んにおこなわれています。
- キリニヤガ
- アベテーア
- エンブ
- ニエリ
これらの地域はどれもケニア南部にあるケニア山という山の周辺の地域です。
ケニア山周辺は、コーヒー栽培に適した以下の条件をそろっています。
- 標高1500-2000m
- 昼夜の寒暖差が大きい
- 降雨量、日照は十分
- 火山灰の土質で水はけがよく、肥沃である
ケニアはおいしいコーヒーを作るために理想的な環境が整っています。
こういった栽培環境も、ケニアのコーヒー豆の品質の高さの一つの要因です。
ケニア産コーヒーの等級
ケニアのコーヒーの等級は、豆の大きさ(スクリーンサイズ)で決まります。
具体的には以下の図のようになっています。
等級 | 条件 |
AA | 6.8mm以上の大粒の豆 |
AB | 6mm~6.8mmの豆 |
C | 4mm~6mm以下の豆 |
E | エレファントサイズ |
PB | ピーベリー |
TT | Cに満たない大きさ、Eの破片 |
T | 通常豆の破片、未熟豆など |
Eのエレファントサイズというのは、豆が極端に大きすぎるものを指します。
PBのピーベリーは収穫量の5~20%しかとれない希少種とされています。
ケニア産コーヒーの主な栽培品種
ケニアでは、SL-28、SL-34、ルイル11という3つの品種が主に栽培されています。
これらの品種はケニアのコーヒー研究所での研究開発や、品種改良を経て産まれた品種です。
3品種には主に以下の図のような特徴があり、それぞれの特性に合わせた栽培がおこなわれています。
風味 | 収穫量 | 病気耐性 | その他 | |
---|---|---|---|---|
SL-28 | ◎ | △ | △ | 乾燥耐性が高い |
SL-34 | ◎ | 〇 | △ | 高地での栽培に向いている |
ルイル11 | 〇 | ◎ | ◎ |
ケニア産コーヒーの主な精製方法
ケニアでは主にウォッシュドが採用されています。
さらに、ケニア式(ダブルウォッシュド)という普通のウォッシュドの工程にプラスしてソーキングという作業を行う伝統的な精製方法が採用されている場合もあるようです。
ソーキングは、コーヒーチェリーから果肉を除去後、水に浸して発酵させてミューシレージを取り除くという一般的なウォッシュドの工程が終わった後に、さらに一日かけてきれいな水に浸す作業のことを指します。
ソーキングを行うことで、よりクリーンで上質な酸味や甘味が強調された味わいが楽しめます。
ケニア産コーヒーの味わいの特徴
ケニアのコーヒーの特徴は、なんといってもフルーツを連想させるような豊かな甘みと酸味です。
もちろん焙煎によって、味わいは大きく変化します。
浅煎り~中煎りのものでは、酸味が強調されてベリーや柑橘類など様々なフルーツを感じる明るい印象になります。
コーヒーの酸味が苦手だという方でも、ケニアの浅煎りを一度味わっていただけるとコーヒーの酸味への印象が変わるのではないかと思います!
一方、中煎り~深煎りのものでは、酸味が適度に抑えられてその甘味やコクが強調される芳醇な味わいに変化します。
深煎りと言えば苦くて飲めないという方でも、ケニアの深煎りを飲んだ時に口に広がる甘みは、一度味わってしまうと何度も飲みたくなってクセになること間違いなしです!
ケニア産コーヒーのおすすめ抽出器具と淹れ方
ケニアの持つ、豊かな酸味や甘味を引き出すために抽出器具や方法も大切です。
浅煎り〜深煎りまで幅広い楽しみ方ができるケニアは、抽出スピードが調節しやすい円錐形のドリッパーを使うことで良さを引き出しやすいのではないかと考えています。
コーヒーをドリップで抽出する際、
抽出の基本として、
酸味→甘味→苦味→渋み
の順に、抽出できます。
浅煎りコーヒーでは、酸味と甘味の味を強調するような抽出がしたいので、以下のように抽出するのがおすすめです。
- 「蒸らし」:豆の2.5~3倍程度の湯量で30秒
- 「2投目以降」:勢いよくお湯をそそぎ、ドリッパー全体を使って抽出
- 「注ぐ回数」:蒸らしを含めて3投
- 「抽出終了時間」:2分30秒ほどで抽出終了
深煎りコーヒーでは甘味と苦味を強調するように抽出したいです。
- 「蒸らし」:豆の1.5倍~2倍程度の湯量で30秒
- 「2投目以降」:ゆっくりとドームを壊さないように
- 「注ぐ回数」:蒸らしを含めて4投
- 「抽出終了時間」:3分ほどで抽出終了
浅煎りは酸味と甘みを、深煎りは甘みと苦みを楽しむために、抽出方法を変えるのがおすすめです。
まとめ
今回はケニアのコーヒーについて解説してきました。
コーヒーに最適な環境で栽培された高品質のコーヒーをぜひ味わって頂きたいです!
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
\他の産地はこちらの記事を参考に!/