自宅でアイスコーヒーを作るとき、
味が薄いな。
カフェで飲むのとなんか違う。
と感じたことはありませんか?
自宅でアイスコーヒーを作るのは、ドリップコーヒーとは手順が違うため自己流で淹れてしまいがちです。
もちろん自己流でうまくいけばいいのですが、大体の場合は「味が薄い…」「なんか違う…」となってしまういます。
そこで、今回の記事では、自宅でできる「おいしいアイスコーヒーの作り方」から「豆の選び方」までを余すことなく紹介します。
自己流で淹れていて、正しいアイスコーヒーの作り方を知らない方にとっては必見の内容です!
また失敗しないためのポイントについても詳しく解説していますので、ぜひ最後まで読んで、「お店クオリティのアイスコーヒー」を手にいれましょう。
アイスコーヒーの作り方2選|それぞれの特徴と味わいの違い
アイスコーヒーの作り方には大きく2つあります。
- 急冷式 :熱湯で抽出したコーヒーを急速に冷やす方法
- 水出し式 :冷水でじっくり時間をかけて抽出する方法
それぞれの特徴と味わいについて以下で詳しく解説します。
急冷式アイスコーヒーの特徴と味わい
急冷式アイスコーヒーは熱湯を使用し、通常より濃く抽出したコーヒーを氷で急速に冷やして作るコーヒーのことです。
ほどよい苦味とコクがあり、後味はスッキリとキレがある味わいが特徴です。
カフェやコンビニで購入できるアイスコーヒーの多くは、この方法で作られています。
水出し式アイスコーヒーの特徴と味わい
水出しコーヒーは、冷水でコーヒーを抽出してつくるコーヒーです。
作り方は抽出方法の違いから「点滴抽出」と「浸漬抽出」に分けられます。
冷水で抽出するため、高温で抽出する急冷式アイスコーヒーに比べ、苦味や雑味が少なくまろやかな味わいが特徴です。
手間がかからず、一度にたくさん作れるため初心者の方でも始めやすい方法です。
急冷式アイスコーヒーの美味しい作り方
まずはおいしい「急冷式アイスコーヒー」のから紹介します。
急冷式アイスコーヒーを淹れるために必要なもの
急冷式アイスコーヒーを淹れるために必要なものは下記のとおりです。
- 氷
- コーヒー豆
- お湯
- ケトル
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- サーバー
- タイマー
- スケール
ドリップコーヒーに必要な道具と氷で作ることができます!
用意するもの | 容量 | ポイント |
---|---|---|
氷 | 140g | 大きめのしっかり冷えた氷 |
コーヒー豆 | 30g | 通常の2倍の濃さで抽出するとOK |
お湯 | 240ml | 少し高めの温度(90℃)くらいがおすすめ →きりっとした印象になります! |
ドリッパー | ─ | 湯量を調整しやすい「V60」「コーノ式」がおすすめ |
急冷式アイスコーヒーの作り方5ステップ
急冷式のアイスコーヒーの作り方は以下の5ステップです。
- 深煎りのコーヒー豆30gを細挽きにします
- ドリッパーに挽いたコーヒー豆をフィルターに準備します
- 90℃のお湯45mlを注ぎ、30秒蒸らします
- 2投にわけて195mlを抽出します
- 氷で冷やします
ひとつずつ解説します。
冷たい物の味は「酸味を強く」感じる傾向があります。
そのため、アイスコーヒにする場合は、以下のようにするとバランスの取れたアイスコーヒーになります。
- 深煎り
- 細挽き
浅煎りでもアイスコーヒーは淹れられますが、品質の悪い浅煎りを使ってしまうと酸味が強すぎて飲めたものではありません!
挽いた豆をフィルターに準備する際は、粉はできるだけ平らになるようにしてください。
平らにすることでお湯の通りを均一にし、抽出のばらつきをおさえられます。
蒸らしの最大の目的は、お湯を粉全体になじませ、抽出効率を上げることです。
一度お湯と触れ合わせることで
- お湯の通り道ができること
- 多孔質のコーヒー豆からガスが放出され、抽出が加速すること
このようなメリットがあります。
1投目115ml、2投目80mlで抽出します。
抽出時間は2分前後で行ってください。
サーバー内に氷を入れておき、抽出されたコーヒーがすぐに冷やされるようにします。
コーヒーを冷やす時のポイントは以下の3点です。
- 抽出後はしっかり攪拌する(底に成分が溜まりやすいため)
- 抽出したコーヒーはできるだけ早く冷やす(※)
- コーヒーの冷え具合を見て、次回以降の氷とコーヒーの比率を変えてみる
水出し式アイスコーヒー美味しい作り方
つづいては水出し式アイスコーヒーの作り方です。
水出しコーヒーには、以下の2通りの抽出方法があります。
- 点滴抽出:点滴のように水を一滴一滴垂らしながら透過させて作る方法
- 浸漬抽出:コーヒーの粉を水に長時間浸して作る方法
それぞれに必要なもの、美味しく作る方法を紹介します。
点滴抽出で淹れるアイスコーヒー
点滴抽出の場合、必要なものは以下の通りです。
- ウォータードリップサーバー
- ドリップ用ポット(無くても可)
- コーヒーの粉(40g)
- 水(100~200ml:濡らす用)
- 水(450ml:抽出用)
点滴抽出でアイスコーヒーをつくる7ステップを紹介します。
こちらで紹介している作り方はIWAKIというメーカーのウォータードリップサーバーの作り方を参考にしております。
この段階でムラ無く湿らせておくことで、抽出しやすくなります。
湿らせたらコーヒーの粉の表面は平らにしておくと、ムラなく抽出しやすくなります。
タンク内に水が最後まで落ちたら完成
浸漬抽出で淹れるアイスコーヒー
浸漬抽出は、専用ポットを用いて作る方法もありますが、今回は自宅でも手軽にできるお茶パックを使用した方法を紹介します。
浸漬抽出に必要なものは下記のとおりです。
- 水出し用ポット(麦茶用ポットでも代用可)
- お茶パック
- コーヒーの粉(40g)
- 水(400~500ml)
浸漬抽出でアイスコーヒーをつくる5ステップを紹介します。
こうすることでコーヒーの抽出がしやすくなります。
水出し用専用ポットを利用される場合は、お茶パックに変わり専用のフィルターがついていますので、そちらに粉を入れて抽出します。
分量はポットの大きさ、メーカーによって異なりますので、説明書を参考にしてください。
【失敗しない】アイスコーヒーにするコーヒー豆を選ぶポイント
美味しいアイスコーヒーを作るには、アイスコーヒーに適したコーヒー豆を選ぶのが大事です。
ここで紹介するポイントをおさえておくことで、アイスコーヒーの失敗をグッと減らせます。
アイスコーヒーに適したコーヒー豆は以下の3つです。
- 深煎りのコーヒー豆を使う
- 中南米産のコーヒー豆を使う
- 鮮度がいいコーヒー豆を使う
以下で、ひとつずつ詳しく解説します。
ポイント①:深煎りのコーヒー豆を使う
美味しいアイスコーヒーを作るには「深煎りのコーヒー豆」を選びましょう。
浅煎りのコーヒー豆でもアイスコーヒーは作れますが、質の悪い浅煎りだと酸味が強く、全体的にぼやけた味になりやすいです。
しかし深煎りのコーヒー豆は、深い苦味とコクが特徴で、アイスコーヒーにしても味がぼやけることなく、スッキリした味わいに仕上がります。
アイスコーヒーにオススメの焙煎の度合いは「フルシティロースト」や「フレンチロースト」です。
色が濃く、油でテカテカしたものがフルシティローストやフレンチローストのコーヒー豆です!
正解はありませんが、まずは失敗のしにくい深煎りのコーヒー豆を選ぶようにしましょう。
ポイント②:中南米産のコーヒーを使う
アイスコーヒーをつくる時は、深いコクと、酸味・苦味のバランスがとれた「ブラジル産」や「コロンビア産」のコーヒー豆がオススメです。
コーヒーは冷えると酸味が感じやすくなります。
もともと酸味が強いコーヒー豆を選ぶと、より酸味を感じやすくなり飲みづらいアイスコーヒーに仕上がります。
「ブラジル産」や「コロンビア産」のコーヒー豆がもつ、ほどよい苦味と酸味に加え、スッキリとした後味はアイスコーヒーとの相性もよく、カフェなどでも選ばれる品種です!
中南米以外では、深煎りにしても風味や香りが残るインドネシア産のマンデリンや、タンザニア産キリマンジャロがオススメです。
失敗しないためにも、まずはバランスの取れた中南米産のコーヒー豆から試してみることをおすすめします。
ポイント③:鮮度がいいコーヒー豆を使う
美味しいアイスコーヒーを楽しむには、鮮度がいいコーヒー豆を選ぶことです。
コーヒー豆は周りの空気などに触れ、酸化すると、風味が損なわれて酸味も強くなります。
常温保存の場合は1週間以内、冷蔵保存の場合で2週間以内、冷凍保存の場合で1ヶ月以内を目安に、使い切れる量を購入するようにしましょう。
アイスコーヒーの発祥について知ろう!
コーヒーと言えば欧米の方がよく飲んでいるイメージがありますが、「アイスコーヒー」に関しては、欧米では飲む習慣がなかったそうです。
また同じアイスコーヒーでも「急冷式のアイスコーヒー」と「水出しコーヒー」の起源が異なります。
それぞれの起源(歴史)を知っておくと、アイスコーヒーの味わいも変わってくると思いますので、ぜひアイスコーヒーのひとつの知識として参考にしてください。
急冷式アイスコーヒーの発祥
急冷式のアイスコーヒーは、1990年代に入り大手コーヒーチェーンのスターバックスが商品として展開するようになり、アメリカをはじめカナダの都市部でアイスコーヒーが認知されるようになったと言われています。
それ以前にも、フランスやアメリカなどでコーヒーを冷やして飲む方法を考案し、普及させようとしましたが、定着しませんでした。
日本では、明治時代にコーヒーを冷やして飲み始めたのが発祥とされています。
当時は「冷やしコーヒー」と呼ばれ、一番古い記録では1891年(明治24年)文筆家石井研堂が「明治事物起源」の中で、東京の神田の氷屋で「氷コーヒー」というメニューがあったことを紹介しています。
大正時代になると、喫茶店でもアイスコーヒーがメニューに登場しはじめ、「冷やしコーヒー」と呼ばれ親しまれていました。
当時のアイスコーヒーは氷でコーヒーの味が薄まることを避けるために、ビンに入れたコーヒーを井戸水や氷につけて冷やし作られていたそうです!
この方式で作られたアイスコーヒーは日本発と言われています。
水出しコーヒーの発祥
水出しコーヒーの発祥はインドネシアです。
17世紀はじめにオランダが設立した「東インド会社」の駐在員であるオランダ人によって考案されました。
当時インドネシアで飲まれていた「ロブスタ種」は苦みが強く、西洋の人々には合わなく、それを「飲みやすいように」工夫して生まれたのが、水を使って抽出する水出しコーヒーです。
オランダ人によって考案されたため「ダッチコーヒー」や、水から淹れる(低温抽出)という意味で「コールドブリュー」とも呼ばれています。
自分にあったアイスコーヒーをみつけよう!
今回はアイスコーヒーの作り方から豆の選び方、失敗しない方法について解説してきました。
美味しいアイスコーヒーを作るポイントは以下の3つです。
- 深煎りのコーヒー豆を選ぶ
- コーヒー豆は中細挽きから細挽きにする
- 蒸らしの工程を入れる
この3つのポイントを守るだけで、すっきりした美味しいアイスコーヒーが作れます。
ぜひ参考にして、自分好みにあったアイスコーヒーを見つけてください。