あなたはサイフォンをご存じでしょうか?
こういった理科室にある実験道具のような器具のことです。
喫茶店でサイフォンがあるとテンション上がりますよね!
今回はそんなサイフォンについて、以下の内容で解説します。
- サイフォンとは
- サイフォンの歴史
- 味わいの特徴
- 必要な器具
- 基本的な淹れ方
- 手入れの方法
最後までご覧いただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
そもそもサイフォンとは?
サイフォンはコーヒーの抽出方法の一種です。
漏斗とフラスコを組み合わせた、まるで理科で使う実験器具のような道具を使って抽出します。
難しそうな見た目をしていますが、他の抽出方法と比べても技術の差が出にくく安定しておいしいコーヒーを淹れることができます。
比較的新しいカフェや喫茶店などでは、ペーパードリップやエスプレッソマシンを使った抽出が多いですが、昔ながらの喫茶店ではまだまだサイフォンを使っているお店も多いです。
抽出を見て楽しむことができるので、定期的に喫茶店に行きたくなりますね!
サイフォンの歴史について
サイフォンの原型は、19世紀前半ごろにはすでにヨーロッパでは存在していたようです。
そして現在日本で楽しまれているサイフォンは1925年に河野彬(こうのあきら)さんによって販売されました。
河野さんは大使館の大使館付医務官としてシンガポールで勤務されていた方です。
当時のシンガポールでは、インドネシア産の低級の豆しかなく抽出も棒で叩き潰したコーヒー豆を大鍋で煮出すという方法が一般的だったそうです。
河野さんはもともと、日本でネルドリップなどの方法で、おいしいコーヒーを飲まれていたそう!
そんな河野さんからするとシンガポールのコーヒーはちょっと口に合わなかったようで、もっとおいしい淹れ方があるのではないかと考え、身の回りにあった医療器具をつかってサイフォンを開発されたそうです。
実験器具のような見た目のサイフォンですが、本当に実験器具を組み合わせて開発されたんですね。
その後、使用しているガラスを耐熱ガラスにするなどの改良を重ねて現在のサイフォンにいたります。
余談
河野彬さんというお名前でピンときた方もいるのではないでしょうか?
サイフォン器具を開発された河野さんは、帰国後「珈琲サイフォン株式会社」という会社を設立されて、日本のコーヒー文化に大きな影響を与えました。
そして、現在も「コーノ式」という名前で続いており、サイフォンはもちろん、ドリッパーなど様々なコーヒー関係の器具を販売されています。
コーノ式は、サイフォンの歴史にも関係してくるんですね。
気になる方はぜひチェックしてみてください!
サイフォンの味わいの特徴|ペーパードリップとの違い
サイフォンの味わいの特徴として「香り高い」「すっきり」という2つがあげられます。
サイフォンは高温かつ短時間で抽出が終わるため香り成分が抜けにくいです。
そのため、サイフォンで淹れたコーヒーは香り高いものになりやすいのだと思われます。
また、サイフォンはコーヒーの抽出方法の中でも「浸漬法(しんしほう)」というものに分類されます。
浸漬法とは、コーヒー豆を一定時間お湯に浸けることでコーヒー液を抽出する方法のことです。
コーヒー液の濃度がある程度まで上がるとそれ以上は濃くなりにくい特徴があるため、コーヒーを濃く抽出し過ぎるということはなくすっきりとした味わいが出やすいのです。
このような浸漬法の特徴からも、サイフォンは味わいが安定しやすく、方法さえ覚えてしまえば誰でもおいしいコーヒーを淹れやすい方法と言えます。
【初心者必見】サイフォン抽出に必要な5つの器具
喫茶店で見たことはあっても、自宅にサイフォン器具がある人は少ないと思います。
月1、月2程度であれば、喫茶店で楽しめばいいと思いますが、週に何回もサイフォンを楽しみたい人は器具をそろえるのがいいでしょう。
この章では、サイフォン抽出に必要な5つの器具を紹介します。
- ロート&フラスコ
- ろ過器
- 布フィルター
- ビームヒーター(アルコールランプでも可)
- 竹べら
サイフォンに必要な器具は上の5つです。
①~④まではセットで販売していることも多いので、もし購入される際は確認してみてください。
サイフォンの正しい淹れ方4ステップ
はじめに、使用する豆や水の量は以下を参考にしてみてください。
豆の種類や焙煎などによっても変わりますので、いろいろ試しながら自分なりのベストを探していきましょう!
杯数 | 豆の量 | 水の量 |
1杯 | 10g | 120ml |
2杯 | 20g | 240ml |
ろ過器に布フィルターをセットして、ろ過器の鎖部分を下にして漏斗に差し込みます。
鎖はフック部分を漏斗に引っ掛けて固定します。
杯数分の水を用意して沸かします。お湯が沸いたら、フラスコに注いでビームヒーターで加熱します。
この時フラスコの外側に水滴がついているとガラスが割れる原因になるので、しっかりとふき取るようにしましょう。
フラスコ内のお湯が再度沸騰してきたら、①で用意した漏斗をフラスコにしっかり差し込みます。
②の後しばらくすると、フラスコ内のお湯が漏斗の中に流入してくるので、その中にコーヒー粉を入れて竹べらで攪拌します。漏斗の中が泡、粉、コーヒー液の3層に分かれたらうまく抽出できてる合図です。
攪拌するときは、竹べらの先が布フィルターに触れないようにしましょう。濁りの原因になってしまいます。
コーヒー粉を入れて攪拌した後、45秒ほどで火を止めます。この時もう一度全体を攪拌しましょう。
火を止めてからしばらくすると、漏斗内のコーヒー液がフラスコ内に落ちていきます。
最後にあらかじめ用意していたコーヒーカップに注げば完成です。
サイフォンの正しいお手入れ・保管方法
サイフォンの正しいお手入れ方法、保管方法を紹介します。
サイフォンの器具は使用直後、非常に熱くなっているので、必ず冷めてから片付けるようにしましょう。
お手入れに関して、布フィルターの取り扱いに注意すれば特別難しいことはありません。
布フィルターのお手入れ・保存方法
使用後、布フィルターについているコーヒーの粉を簡単に水で洗い流します。
この時ゴシゴシこすると生地が傷んでしまうので、できるだけ優しくなでるように洗いましょう。
また、洗剤は使わずに必ず水だけで汚れを取るようにしましょう。
汚れが落ちない場合は2〜3分ほど煮ることで汚れがきれいに取れます。
洗い終わったら、水を張ったタッパーにフィルターを入れて冷蔵庫で保管します。
タッパーの中の水は最低でも1日に1回交換することで清潔な状態を保ちましょう。
水換えが面倒な場合は、ジップロックに入れて冷凍保存する方法もあります!
正統派:水に浸して冷蔵保存
公式ではないが問題はない:冷凍保存
上記のイメージです!
漏斗、フラスコ、竹べらのお手入れ・保存方法
普通に中性洗剤で洗って問題ありません。
コーヒーには油分も含まれているので小さなブラシなどを使いながら洗剤でしっかりと汚れをとりましょう。
まとめ
今回はサイフォンについて解説してきました。
手入れに少し手間がかかってしまうものの、サイフォンを使うことで手軽に喫茶店で飲むような本格的なコーヒーを楽しむことができます。
まだサイフォンのコーヒーを飲んだことがないという方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?新しいコーヒーの世界が広がっていること間違いなしです!
また、サイフォンはお湯に付け込んで抽出するので、良くも悪くも素材勝負です。
コーヒー豆の品質が一番重要ですので、専門店で最高のコーヒー豆を購入してください!
最後までご覧いただきありがとうございました。